【5月22日 AFP】米ニュージャージー(New Jersey)州ミドルセックス(Middlesex)上級裁判所は21日、ウェブカメラで同性愛者のルームメートを不法に撮影したとして、インド系移民の大学生のダルン・ラビ(Dharun Ravi)被告(20)に禁錮30日の有罪判決を言い渡した。禁錮10年の判決が言い渡される可能性もあった。

 ニュージャージー州、ラトガース大学(Rutgers University)寮のルームメートを撮影したウェブカメラ動画を友人たちと共有したラビ被告には、さらに国外退去処分を言い渡される可能性もあったが、判事はそのような処分を推奨しないと述べた。

 この事件では、恋人との性的な関係をインターネットで中継された同性愛者の学生(当時18歳)が隠し撮りをされた後に自殺したため、ネットいじめや同性愛バッシングをめぐる全米規模の論争を巻き起こした。ラビ被告はルームメートの自殺に対する罪は問われなかった。

 判決を前に、グレン・バーマン(Glenn Berman)判事はラビ被告を厳しく叱責。「陪審員12人が質問事項24件に『有罪』と口にするのを合わせて288回聞いた。だが被告からの謝罪は一度も聞いていない」とバーマン判事は述べ、ラビ被告は「自分の行いと、それによって生じた苦痛を消し去ること」ができないだろうと語った。

 判決を受け、ニュージャージー州の同性愛者権利団体「Garden State Equality」は、「軽くたしなめる程度の判決で、いじめを受けた人に対する侮辱」と述べ、「信じられない」判決だと厳しく批判した。(c)AFP/Sebastian Smith

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