【5月16日 AFP】米メディア大手ニューズ・コーポレーション(News Corp)傘下の英日曜大衆紙「ニューズ・オブ・ザ・ワールド(News of the World)」の盗聴事件に絡み、英当局は15日、証拠隠滅をはかったとして廃刊した同紙の元編集長レベッカ・ブルックス(Rebekah Brooks)容疑者(43)やその夫ら計6人を司法妨害罪で起訴した。

 ニューズ紙は2000年代前半に誘拐・殺害された10代の少女、ミリー・ダウラー(Milly Dowler)さんの携帯電話に残されていた伝言メッセージを盗聴していたことが2011年に発覚し、同年7月廃刊に追い込まれた。ブルックス容疑者はこの時期、盗聴事件に関する警察の捜査から、コンピューターなど電子機器を隠そうとしたとされ、残る容疑者には共謀した疑いがもたれている。

 弁護士の事務所前で夫婦と共に報道陣に応じたブルックス容疑者は「わたしに近しい人たちがこの事件に不当に引きずり込まれていることにへの怒りは表しきれない」と語った。「いつか詳細が明らかになれば、今目にしていることが根拠の薄い、不当な決定のために公金を無駄に使った余興だったことが世間にも分かるだろう」。夫のチャーリー・ブルックス(Charlie Brooks)容疑者は「魔女狩りだ」と言い表した。

 ブルックス容疑者は、米メディア王ルパート・マードック(Rupert Murdoch)氏の右腕として、同氏が率いるニューズ・コーポレーションの英子会社ニューズ・インターナショナル(News InternationalNI)の最高経営責任者(CEO)も務めていた。今回、司法妨害で起訴された他の4人は、ブルックス容疑者の個人秘書のシェリル・カーター(Cheryl Carter、48)容疑者の他、NIのセキュリティー部門トップのマーク・ハンナ(Mark Hanna)、運転手のポール・エドワーズ(Paul Edwards)、NIにブルックス容疑者の警備を委託されていたダリル・ジョースリング(Daryl Jorsling)の各容疑者。さらに1人が逮捕されたが不起訴で釈放された。

 警察によると、今回の起訴に関する6人の公判は6月13日に開始する。(c)AFP/Danny Kemp

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