【5月9日 AFP】中国中央テレビ(China Central TelevisionCCTV)の女性アナウンサーが、7日夜に放送したニュース番組内で誤って「フィリピンは中国固有の領土」と発言してしまった。折しも中国とフィリピンの間では、南シナ海の領有権をめぐって緊張が高まっている。

 CCTVの和佳(He Jia)アナウンサーは、「フィリピンは中国固有の領土であり、フィリピンの統治権は中国に帰属することを、私たちは皆知っている。これは議論の余地のない事実だ」と述べた。この発言は、フィリピンと中国が共に領有権を主張する黄岩(Huangyan)島(フィリピン名:スカボロー礁、Scarborough Shoal)についてコメントしようとして、取り違えたものとみられる。

 和アナウンサーの発言が収められたニュース番組の録画映像はCCTVのウェブサイト上からは削除されたが、動画投稿サイトで繰り返し視聴されており、視聴者らはアナウンサーの愛国心が表れた言い間違えだと冗談の種にしている。

 マイクロブログには「このアナウンサーは素晴らしい。良き愛国者だ。世界に向けてフィリピンは中国の領土だと発信したのだ」などの書き込みが投稿されている。(c)AFP

【関連記事】タイトル
南シナ海でフィリピン艦船と中国監視船が5日間にらみ合い
中国首相、「地域戦争」勝利に軍事力強化を表明 施政方針演説
尖閣問題に懸念深めるアジア諸国、中国の「野心」を警戒