【4月23日 AFP】米ニューヨーク(New York)で30年以上前に謎の失踪を遂げた当時6歳の男の子の消息を突き止めるため、ニューヨーク市警と米連邦捜査局(FBI)が前週19日から、市内ソーホー(SoHo)地区にあるマンションの地下室の掘り起こし作業を行っている。

 金髪で、その顔立ちは「天使のよう」と称されたイータン・パッツ(Etan Patz)くん(当時6)は1979年5月25日、通学バスが発着する自宅近所のバス停まで1人で歩いて行ってもよいとの許可を両親から初めてもらい、家を出たまま行方が分からなくなった。

 情報提供を呼びかけるためイータンくんの顔写真は牛乳パックに印刷され、行方不明の子どもの写真が牛乳パックに掲載された全米初の事例となった。事件は当時の米社会に衝撃を与え、子どもに1人で通学させない親が続出した。

 イータンくんが当時住んでいたプリンス通り(Prince Street)は、21日も遺体捜索のため通行止めとなり、多くのやじ馬が人だかりを作った。

 捜索が行われているマンションの地下室は、今も両親が暮らすイータンくんの自宅アパートから約50メートルほどしか離れていない。捜査員らは20メートル四方の地下室のコンクリート床の掘り起こしと、その下の土壌や土台部分を捜索しており、作業には数日かかる予定だという。

 イータンくん不明事件は未解決のまま死亡が宣言されていたが、2年前に両親の要請に基づきマンハッタン地区検事長が捜査再開を決定。最近になって、警察が死体捜索犬にこの地下室内を捜索させたところ、反応を示したという。

 地元メディア報道によれば、事件当時この地下室を作業場としていた修理工のオスニエル・ミラー(Othniel Miller)氏が捜査線に上がっている。ミラー氏は当時、イータンくんが住んでいた建物内で作業をしており、イータンくんとも顔見知りだった。同氏は20日、代理人を通じて「事件へのいかなる関与も否定」している。(c)AFP/Sebastian Smith