【4月11日 AFP】2011年7月にノルウェーで77人を殺害したとしてテロ行為の罪で起訴されたアンネシュ・ベーリング・ブレイビク(Anders Behring Breivik)被告(33)は、犯行当時、刑事責任を負うことができる精神状態にあったとする精神鑑定結果が10日、オスロ(Oslo)地裁に提出された。

 先に同被告は妄想型統合失調症だとする鑑定結果が出されており、ノルウェー国内では再鑑定を求める声が上がっていた。

 これらの鑑定はいずれも勧告にとどまり、最終的には判事が被告の精神状態を判断し、刑務所で服役させるか、あるいは精神科施設での拘禁を命じるかを決めることになっている。いずれにせよ被告は残りの人生を施設の中で送る可能性がある。公判は16日に始まり、6月半ばごろに判決が出る見通し。

 皮肉なことに弁護側は新たな鑑定結果を歓迎している。弁護団によるとブレイビク被告は、「多文化主義と『イスラム教徒の侵略』から欧州を守る」という政治的なイデオロギーを守るために責任能力があったことを証明したい意向で、精神科施設に送られることは「死よりも悪い」と話しているという。(c)AFP/Pierre-Henry Deshayes

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