【4月11日 AFP】中国国営新華社(Xinhua)通信は10日夜、3月に重慶(Chongqing)市共産党委員会書記を解任された薄熙来(Bo Xilai)氏(62)が、党中央の政治局員と中央委員の職務を停止されたと報じた。

 新華社は、「薄同志」に「重大な規律違反容疑」がかけられていると報じた。「重大な規律違反容疑」という表現は汚職への関与を意味するのが通例だが、新華社は具体的な内容を伝えなかった。

 新華社の続報によると、警察は薄氏の妻、谷開来(Gu Kailai)氏が、前年11月に重慶で死亡した英国人ビジネスマンのニール・ヘイウッド(Neil Heywood)氏の事件に関わったとみられる証拠を見つけ、殺人事件として捜査を再開、谷容疑者の身柄を計画的殺人容疑で司法機関に送致した。

 薄氏の転落は重慶市前公安局長の王立軍(Wang Lijun)副市長が米総領事館に駆け込んだ2月に始まった。王氏はこの際、亡命を求めたと報じられていたが、ヘイウッド氏の事件についても話していたという。

 新華社は、谷容疑者とその息子はヘイウッド氏と良好な関係にあったが、「経済的な利益」をめぐって関係が悪化し、新たな捜査の結果「証拠はヘイウッド氏が殺害されたことを示しており、谷開来と薄家の使用人、張暁軍(Zhang Xiaojun)に強い嫌疑がかけられている」と報じた。

 ヘイウッド氏の死をめぐるスキャンダルは、英政府が前月、中国政府に再捜査を求めたことで明るみに出ていた。ウィリアム・ヘイグ(William Hague)英外相は、「中国側はわれわれが依頼したことをやっている。捜査が行われ、その結果を聞くのを期待している」と述べてこのニュースを歓迎した。(c)AFP/Marianne Barriaux