【4月9日 AFP】韓国で今月初めに起きた女性が暴行・殺害された事件で、警察当局の不手際に市民から批判が殺到していることを受け、韓国警察庁の趙顕五(チョ・ヒョンオ、Cho Hyun-Oh)長官は9日、引責辞任する意向を表明した。

 記者会見した趙長官は、警察当局の「許し難い不注意の全責任を取って」辞任すると述べ、被害者遺族に許しを求めた。報道によれば李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)大統領は辞表を受理する見込みという。

 事件は、ソウル(Seoul)南部の水原(Suwon)で2日、28歳の女性の切断遺体が発見されたもの。だが、その13時間前の1日夜、女性は自宅から警察に強姦されそうだと通報していた。

 女性は、犯人が自宅に押し入るより前に、警察当局に自宅の場所を詳しく教えていた。その上、電話回線は5分間にわたって繋がったままで、女性の叫び声や命乞いする声が聞こえていたという。警察当局は9日朝になって、女性の切断遺体をゴミ箱に捨てている韓国系中国人の移民労働者(42)を逮捕した。

 警察当局は、緊急通報センターと当直警察官との間で連絡の不備があった他、官僚的な不注意もあり、何時間にもわたって別の地域を捜索していたことを認めている。また、事件報道後、現地に出動させた警察官の人数を誇張して報道陣に伝えていたことも認めている。(c)AFP