【4月4日 AFP】(一部更新、写真追加)米カリフォルニア(California)州オークランド(Oakland)南東部にあるキリスト教系オイコス大学(Oikos University)で2日発生した銃乱射事件で、容疑者の韓国系米国人の男(43)は、犠牲者を並ばせて処刑するような形で殺害していたことが、警察が3日に開いた記者会見で明らかになった。

 現地のメディアは容疑者の氏名をワン・ゴー(One Goh)と報じているが、韓国の聨合ニュース(Yonhap News)はコ・ウォンイル(Ko Won-Il)と報じている。

 オークランド警察のハワード・ジョーダン(Howard Jordan)署長はFOXニュース(FOX News)系の地元テレビ局KTVUに、容疑者は英語がうまく話せないことをからかわれ、数週間前から犯行を計画していたと語った。事件を起こしたことを悔やむ様子は見られないという。

 またジョーダン氏がCNNに語ったところによると、容疑者はオイコス大学の建物に入り、受付係を人質にとって、同大学のある女性幹部を探した。この幹部が建物内にいないと知った容疑者は、学生たちを壁に向かって並ばせて1人1人銃で撃ったという。その際、容疑者は学生たちに「おまえら全員殺してやる」と言ったとされている。「これは数分間のうちに起きた。犠牲者は抵抗したり、容疑者に降伏したりする時間はなかったはずだ」(ジョーダン氏)

 この事件でナイジェリア、ネパール、韓国から来ていた21~40歳の女性6人と男性1人が死亡した。犠牲者は全員が学生だった。事件当時容疑者が入った建物とその近くにいた約35人のうち10人が撃たれ、5人がその場で死亡を宣告され、2人が搬送先の病院で死亡した。

 容疑者は教室を出て銃に弾丸を詰め、別の2~3の教室の中に向けて発砲した上、犠牲者の1人の車で近くのアラメダ(Alameda)に移動した。ジョーダン氏によると、容疑者はそこで両親に電話をかけ、やってきた警察に投降した。

■容疑者は問題行動で退学の元学生

 ジョーダン氏はABCテレビのインタビューで、容疑者はオイコス大学の学生だったが学内で問題を起こし、数か月前に退学させられていたと語るとともに、容疑者は大学職員から無礼な扱いを受けていたと供述していることを明らかにした。

 オイコス大学は看護、聖書学、神学などを教えている。同大のウェブサイトには「学生にキリスト教の教義とイデオロギーに基づいたキリスト教教育を提供します」と書かれていた。

 地元紙オークランド・トリビューン(Oakland Tribune)は容疑者の兄弟で米陸軍軍曹だったコ・スワン(Su Wan Ko)さんが2011年3月、ドイツの研究機関からの要請を受けた任務中に米バージニア(Virginia)州で交通事故に遭い死亡したと報じた。容疑者の男も追悼式に参列したと報じられている。(c)AFP/Kimihiro Hoshino