【3月30日 AFP】仏警察当局は30日、イスラム系過激派の全国一斉摘発を行い、19人を拘束した。

 摘発が行われたのは、モハメド・メラ(Mohamed Merah)容疑者が仏軍兵士やユダヤ人学校の生徒ら7人を射殺する事件が起きた南西部トゥールーズ(Toulouse)を始め、パリ(Paris)、マルセイユ(Marseille)、リヨン(Lyon)、ニース(Nice)など。仏警察筋によると、トゥールーズの事件と直接の関連はないという。

■9.11後に似たトラウマ

 ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領は一斉摘発について、「イスラム急進主義者」を対象にしたものだと仏民放ラジオ「ヨーロッパ1(Europe 1)」で説明した。また、トゥールーズとその近郊で起きた銃撃事件について、「恐怖の度合いを比較すべきではないが、この事件のトラウマ(心的外傷)はわが国にとって、9.11米同時多発テロ後の米国が体験したトラウマにやや似ている」と述べた。

 仏政府は29日、4月にフランスで開かれるイスラム教の会議に出席を予定していたイスラム教聖職者4人について「憎悪と暴力を奨励する」彼らの呼び掛けが治安に脅威を与えているとして入国を禁じた。サルコジ大統領は「共和国(フランス)に反する価値を提唱する人々を、わが国に招きたくはない」と述べ、この判断の正当性を強調した。(c)AFP/Charles Sicurani and Nicolas Gaudichet

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