経済危機のイタリアで焼身自殺未遂相次ぐ
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【3月30日 AFP】財政危機のイタリアで28~29日、脱税容疑で裁判中のイタリア人男性と給料未払いに抗議するモロッコ人男性が相次いで焼身自殺を図り、全土に衝撃が走っている。
1件目の事件はボローニャ(Bologna)で28日、建設作業員の男(58)が税務署の駐車場に停めた車の中で自らに火をつけたもの。近くにいた駐車監視員に救出され、病院へ搬送されたが重体という。
この男は2007年から脱税していたとして10万4000ユーロ(約1140万円)の追徴課税を求められており、近く裁判に出廷する予定だった。男は国税庁、友人、妻に宛てた遺書を残しており、伊紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)の抜粋によれば、国税庁に宛てた遺書には「私はずっと税金を払ってきた」と書かれていたという。
2件目の事件は翌29日、ベローナ(Verona)在住の建設作業員のモロッコ人男性(27)が賃金未払いへの抗議として、路上で腕と頭に火をつけたもので、前日の事件を模倣したとみられる。地元警察によるとこの男性は、4か月にわたって賃金が支払われていないと路上で叫んだ後、ガソリンをかぶって火を放った。駆けつけた警官によって火は消し止められ、男性は病院に運ばれたという。
相次ぐ事件を受け、保守系日刊紙ジョルナレ(Giornale)は第1面で「税金のせいで炎上:収税吏に殺されるイタリア国民」との見出しで大きく報じた。レプブリカ(Repubblica)紙も「経済危機に押しつぶされた職人の悲劇」と伝えた。
イタリアのマリオ・モンティ(Mario Monti)政権は、巨額の負債を返済するために脱税取り締まりを強化している。(c)AFP
1件目の事件はボローニャ(Bologna)で28日、建設作業員の男(58)が税務署の駐車場に停めた車の中で自らに火をつけたもの。近くにいた駐車監視員に救出され、病院へ搬送されたが重体という。
この男は2007年から脱税していたとして10万4000ユーロ(約1140万円)の追徴課税を求められており、近く裁判に出廷する予定だった。男は国税庁、友人、妻に宛てた遺書を残しており、伊紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)の抜粋によれば、国税庁に宛てた遺書には「私はずっと税金を払ってきた」と書かれていたという。
2件目の事件は翌29日、ベローナ(Verona)在住の建設作業員のモロッコ人男性(27)が賃金未払いへの抗議として、路上で腕と頭に火をつけたもので、前日の事件を模倣したとみられる。地元警察によるとこの男性は、4か月にわたって賃金が支払われていないと路上で叫んだ後、ガソリンをかぶって火を放った。駆けつけた警官によって火は消し止められ、男性は病院に運ばれたという。
相次ぐ事件を受け、保守系日刊紙ジョルナレ(Giornale)は第1面で「税金のせいで炎上:収税吏に殺されるイタリア国民」との見出しで大きく報じた。レプブリカ(Repubblica)紙も「経済危機に押しつぶされた職人の悲劇」と伝えた。
イタリアのマリオ・モンティ(Mario Monti)政権は、巨額の負債を返済するために脱税取り締まりを強化している。(c)AFP