米機機長がフライト中に錯乱、テキサスに緊急着陸
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【3月28日 AFP】ニューヨーク(New York)からラスベガス(Las Vegas)へ向け飛行中だった米格安航空会社「ジェットブルー(JetBlue)」の航空機が27日、操縦する機長が突然叫び始めたため、テキサス州アマリロ(Amarillo)の空港に緊急着陸した。関係者やメディアの報道で明らかになった。
現地紙アマリロ・グローブニュース(Amarillo Globe-News)が報じたところによると、操縦室のそばにあるトイレへと席を外した機長が、「イラク、アルカイダ、テロリズム、墜落する!」と突然叫び始めたため、驚いた乗客らがパイロットを取り押さえ、間もなく同機は緊急着陸した。緊急着陸について同航空会社は、パイロットに健康上の問題があったと表明している。
同機に搭乗していたハイディ・カーグ(Heidi Karg)さんは、「(機長は)かなり取り乱していたので少し怖かった」と述べ、機長を落ち着かせるために数人がかりで押さえつける必要があったことにも触れ、「数人の男性乗客がパイロットを取り押さえるために、飛行機の前列部分に走っていった」と米テレビ局CNNに語った。
また3列目に座っていたガブリエル・ショーツァイト(Gabriel Schonzeit)さんは、「彼はアルカイダとか飛行機爆弾とか、イラクやイラン、みんな墜落するなどと叫び出した」とアマリロ・グローブニュースに対し述べている。
米連邦航空局(Federal Aviation Administration、FAA)は声明を発表し、副操縦士が機長の異常に気付き、機長が操縦室を出た後にドアの鍵を閉めたことを明らかにした。また乗客らが鍵のかかった操縦室に戻ろうとする機長を制止し、緊急着陸後に現地当局が機長の身柄を拘束、健康状態を診断するため救急車で搬送したことについても触れた。
一方でジェットブルー社の声明では、離陸してから約3時間半後、当時操縦にあたっていたパイロットが機長の健康状態を理由にアマリオへの緊急着陸を決めたとし、また搭乗していた非番のパイロットが操縦室に入って機長の業務を引き継いだとしている。
前出のショーツァイトさんは、アマリロ・グローブニュースに対し「彼は狂っているようだった。我々前列の乗客はみな、彼が操縦室に戻ったら墜落すると確信していた」と語っている。(c)AFP