【3月27日 AFP】米フロリダ(Florida)州で前月末に黒人少年が射殺された事件をめぐり、同州サンフォード(Sanford)で26日、約8000人が参加する抗議デモが行われた。

 デモ隊は、トレイボン・マーティン(Trayvon Martin)さん(当時17)を射殺した自警団のジョージ・ジマーマン(George Zimmerman)さんの起訴を求め、200万人以上が署名した請願書を携えてサンフォードの街中を行進、「トレイボンに正義を」と声を挙げた。

 デモを先導したのはマーティンさんの両親、トレーシー・マーティン(Tracy Martin)さんとシブリナ・フルトン(Sybrina Fulton)さん、そして公民権活動家のアル・シャープトン(Al Sharpton)さんとジェシー・ジャクソン(Jesse Jackson)さんもこれに加わった。

 ジャクソンさんは「この事件では、人種間の不平等の根深い問題が露呈した――これは少年の問題に留まらず、国内の人種観をも示している」と述べた。また、司法制度、警察当局、そして銀行などにおける人種差別についても触れ「(このようなことが)長く続きすぎている」と語った。

 今回の件についてシャープトンさんは、「司法のひどい茶番だ」と一蹴した。

 請願書は活動家グループの「Change.org」によってオンラインで集められたもので、ジマーマンさんの捜査および起訴を求めている。26日には月例市議会が予定されており、これに出席する市長と市当局に提出されることになっていた。

 前月26日に起きた「ゲートコミュニティー(自衛居住区)」での事件についてジマーマンさんは、少年との間で口論となり「正当防衛」のために射殺したと主張している。

 地元紙オーランド・センチネル(Orlando Sentinel)は26日、ジマーマンさんが警察当局に対し、先にマーティンさんに暴力を振るわれたと話していたことを伝えている。報じられたところによると、マーティンさんはジマーマンさんの顔を殴ったあと馬乗りになり、ジマーマンさんの頭部を何度も地面に叩きつけたという。(c)AFP/Mike Bernos

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