【3月24日 AFP】アフガニスタン南部カンダハル(Kandahar)州の村で今月11日、民家を襲撃し女性や子どもを含む住民17人を殺害したとされる米陸軍のロバート・ベールズ(Robert Bales)2等軍曹(38)について、米軍は23日、計画的殺人や殺人未遂などの罪で訴追したと発表した。

 ベールズ容疑者は、11日未明にカンダハル州の基地を抜け出し、近くの2つの村で子ども9人、女性4人、男性4人の計17人を殺害し、一部の遺体を焼いたとされる。計画的殺人の他に、暴行と殺人未遂でも訴追されており、有罪になれば最高で死刑、最低でも終身刑が見込まれる。

 ある米軍報道官は、裁判は「非常に高い確率で」米国内で行われることになるだろうと述べた。しかし犠牲者の遺族は、裁判はアフガニスタンで行うべきだと要求している。

 訴追手続きの次の段階として、統一軍事司法法典第32条に基づく査問委員会がベールズ容疑者を予備審問し、軍法会議の招集を求めるかどうかを決めることになる。

 今回の事件は、米軍がアフガニスタンへ侵攻して以降この10年間に起きた北大西洋条約機構(NATO)軍兵士による戦争犯罪として最も多くの犠牲者を出し、すでに緊張が高まっていた米国とアフガニスタンの関係に試練を与えている。

 ベールズ容疑者の訴追を受けて、アフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領は「可能な限り直ちに裁きを求める」と述べた。

 しかし、容疑者の所属基地である米シアトル(Seattle)近郊ルイス・マッコード合同基地(Joint Base Lewis-McChord)の報道官によると、いかなる場合でも審理が開始するのに1年半~2年かかるだろうと述べた。(c)AFP

【関連記事】アフガニスタンで民間人射殺容疑の米兵、「事件の記憶ない」