【3月5日 AFP】ギリシャの警察当局は4日、密輸組織の大規模な強制捜査を行って44人を逮捕し、8000枚以上の古代の硬貨などを押収したと発表した。

 強制捜査は200人以上の警察官によって主に同国北部の13の県で3日に始まり、55の建物を捜索した。

 警察の発表によれば、青銅製のものをメインに紀元前6世紀からビザンチン(Byzantine)帝国時代までさまざまな時代のさまざまな種類のコインが押収されたという。押収された古代硬貨などはポリギロス(Poligiros)の警察署内で公開された。

 その他にもビザンチン帝国時代の木像、金製品3点、多数の宝石類など多くの貴重な品に加え、金属探知機19台も押収された。

 逮捕された中には組織の首謀者とみられる元税関職員の男(66)もいた。警察によるとこの男は入手した古美術品を鑑定し、自ら作り上げたネットワークを通じて海外で密売していたという。この男は頻繁にブルガリアやドイツ、スイス、英国を訪れていた。

■ギリシャで相次ぐ古美術品の違法売買

 考古学的遺産に恵まれているギリシャは、以前から違法な美術品売買の標的にされている。

 2月には同国オリンピア(Olympia)の古代オリンピック競技博物館(Ancient Olympic Games Museum)に覆面をした2人組の強盗が警報装置を破壊して押し入り、出勤して来た女性警備員を抑え込んだのち、70点以上の展示品を盗み出すという事件が起きている。

 1月にはアテネ(Athens)の国立美術館(National Gallery)で、スペイン出身の巨匠パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)が寄贈した絵画など計3点の作品が盗まれた。(c)AFP

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