【2月24日 AFP】米財務省は23日、日本の指定暴力団山口組(Yamaguchi-gumi)とロシア系国際犯罪組織「ブラザーズ・サークル(Brothers' Circle)」を経済制裁の対象にすると発表した。両者の資金力をそぎ、不正資金から国際金融システムを保護するとして、2組織関連の資産凍結を命じ、米市民および米企業との取引も禁じる。

 デービッド・コーエン(David Cohen)財務次官は「ふたつの犯罪組織は米国の金融・商取引システムを利用して市場に侵入し、また市場を破壊し、不法に利益を得ており、米国への脅威となっている」と指摘した。

 山口組について同省は、日本最大の「ヤクザ」組織で売春や麻薬・武器取引、人身売買などによって数十億ドルを稼いでいると説明している。篠田建市(Kenichi Shinoda、通称・司忍)組長と、若頭で現在公判中の高山清司(Kiyoshi Takayama)被告の資産も凍結する。

 山口組とともに経済制裁の対象に指定された「ブラザーズ・サークル」は、旧ソ連圏を拠点に欧州、アジア、中東などにネットワークを広げ、武器、麻薬、貴金属の密売や違法金融行為を展開している。米財務省によると「ブラザーズ・サークル」は、世界各地の組織犯罪を指揮している複数の犯罪ネットワークの「調整機関」の役割を果たしている。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)を拠点としたメンバーらが、世界的な規模で犯罪活動の輸出を企てていた証拠も見つかっているという。

 バラク・オバマ(Barack Obama)大統領は前年7月、イタリアのマフィア「カモッラ(Camorra)」、メキシコの麻薬密輸組織「セタス(Zetas)」、「ブラザーズ・サークル」、日本の「YAKUZA」を経済制裁の対象とする大統領令に署名しており、23日の財務省発表はこれを受けたもの。(c)AFP

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