【2月17日 AFP】タイの首都バンコク(Bangkok)中心部で14日、相次いで爆発があったことを受け、タイ当局は観光地や各国大使館で警戒を強めている。

 バンコク郊外のスワンナプーム国際空港(Suvarnabhumi Airport)では警察が不審者や不審物のパトロールを強化し、観光地などのホテルも警戒を強めている。英国や米国などは、タイにいる自国民に注意するよう呼びかけた。

 タイの警察は15日、この事件でイラン人2人の身柄を拘束した。1人は逃走する際、警察に投げようとした爆発物が自分の足元で爆発して両足を失い、現在はバンコク市内の病院にいると言われている。容体は安定しているという。もう1人はタイから出国する航空機に乗ろうとしていたところを捕まった。

 タイを出国したもう1人のイラン人容疑者が15日、マレーシア・クアラルンプール(Kuala Lumpur)の国際空港で逮捕され、タイは身柄の引き渡しを求めている。タイの警察は、今回の事件はイスラエルの外交官を狙ったものという見方を示している。

 イスラエルは、14日の爆発と、13日にインドの首都ニューデリー(New Delhi)とグルジアの首都トビリシ(Tbilisi)でイスラエルの外交官が狙われ、ニューデリーでイスラエル人の女性外交官ら2人が負傷した一連の事件の背後にはイランがいたとして、イランを非難している。

 しかしイランはいずれも否定し、イスラエル政権と関係のある者の犯行だと主張している。ニューデリーの事件は、イスラエル大使館の車にバイクに乗った人物がマグネット式の爆弾を仕掛けるという手口だったが、これは過去2年間に起きたイランの核科学者が殺害された事件とよく似ているとの指摘もある。タイの警察は、14日に爆発があった民家でも爆発物と磁石が見つかったとしている。

 イスラエルとイランの間の緊張に国際的な懸念が高まっているなか、日本は15日、対イラン軍事行動を取らないようイスラエルに求めた。(c)AFP/Anusak Konglang

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