【2月12日 AFP】米国で、大手SNSフェイスブック(Facebook)上でのトラブルが、殺人事件に発展した。米テネシー(Tennessee)州の若いカップルは、1月31日の早朝に頭を撃ち抜かれて死亡。絶命した女性の腕には泣きじゃくる赤ちゃんが抱きしめられていたという。警察当局が10日、明らかにした。

 マイク・リース(Mike Reece)保安官によると、短気なジャネル・ポッター(Janell Potter)さんは、小さな町マウンテンシティー(Mountain City)のトラブルメーカーだった。だが、まさかポッターさんの父親とボーイフレンドが、彼女のために殺人を犯したとして逮捕されることになるとは、誰も想像していなかった。

■1日の大半フェイスブック、関係絶つと嫌がらせ

 ポッターさんは30歳前後、体が不自由で、1日の大半をフェイスブックにアクセスして過ごしているが、これまでにも何度かフェイスブック上で、実生活に影響が出るほどの騒動を起こしていた。

 ポッターさんは、友人にブロック(遮断)されたり「友達」を解除されたりすると激高し、自分と関係を切ろうとする相手に嫌がらせをするよう周囲に呼び掛けていたという。また、ポッターさんと父親は、ネット上でポッターさんに冷たくした相手とスーパーマーケットではち合わせると、相手と口論を始めることで知られていた。

 殺害されたビリー・クレー・ペイン(Billy Clay Payne)さん(36)とビリー・ジーン・ヘイワース(Billie Jean Hayworth)さん(23)も、ポッターさんから嫌がらせを受けていた。あまりにひどかったため2人は前年、ネット上や電話で脅迫を受けたとして、迷惑行為でポッターさんを告訴していた。

 裁判では、ポッターさんのボーイフレンドが彼女を弁護する証言を行った。だが、法廷が聴取した150人の大半が、恐らくポッターさん側に責任があるだろうとの意見を述べていた。

 警察当局は、確執が殺人にまでエスカレートした全ぼうの解明に向け、捜査を進めている。

■ネットでのトラブル、殺人関与を立証できるか

 ペインさんとヘイワースさんは1月31日午前6時に殺害され、遺体は約5時間後に立ち寄った友人によって発見された。頭部を撃たれていた他、ペインさんはのどが切られていた。

 ポッターさんのボーイフレンドで、ペインさんのまたいとこでもあるジェイミー・リン・カード(Jaime Lynn Curd)容疑者(37)は6日、2人の殺害に関与したと自供。翌7日には、ポッターさんの父親、マービン・バディ・ポッター(Marvin 'Buddy' Potter)容疑者(60)も逮捕された。2人は現在、殺人容疑で勾留されている。

 町では、被害者の家族を中心に、ポッターさんを逮捕するようリース保安官への圧力が高まっている。

 リース保安官は、「父親とボーイフレンドの犯行というだけでなく、ポッターさんを事件に結びつけることが可能かどうか、確認している。彼女がこの事件で一定の役割を果たしたことを立証しなければならないが、難しいだろう」と述べた。(c)AFP