「撃っていい?」911に電話してから侵入犯を射殺した米女性、不起訴に
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【1月6日 AFP】米オクラホマ(Oklahoma)州で昨年末、18歳の女性が警察に電話で発砲許可を求めてから自宅に侵入しようとした男を射殺する事件があった。この事件について検察は5日、正当防衛とみなして、この女性、サラ・マッキンリー(Sarah McKinley)さんを不起訴とすることを決めた。
事件が起きたのは、昨年の大晦日だった。生後3か月の息子と自宅にいたマッキンリーさんから警察の緊急通報ダイヤル「911」に電話があり、マッキンリーさんは、「いま銃が2丁あるんです。もし犯人が侵入してきたら撃っても構わないですか?」と小声で尋ねた。
通報に対応した郡保安官事務所のダイアン・グラハム(Diane Graham)さんは、「撃ってよいとは言えないが、赤ちゃんを守るために、やるべきことをしなさい」と答えた。その後、グラハムさんは電話越しに銃声を聞いた。
警察がマッキンリーさん宅へ急行したところ、ソファに倒れこんだジャスティン・マーティン(Justin Martin)容疑者(24)の射殺体を発見した。マーティン容疑者は手にナイフを握っていたことから、捜査当局はマッキンリーさんの行動を正当防衛と判断した。
マッキンリーさんは事件の1週間前の25日に、がんを患っていた夫を亡くしたばかりだった。
検察当局は地元紙オクラホマン(Oklahoman)の取材に対し、事件を捜査したところ、いかなる点でもマッキンリーさんに不法行為は認められなかったとし、マーティン容疑者については「他人宅に入る前に、考慮すべきことがあったはずだ」と述べ、同容疑者側に非があったとの見解を示した。
この事件では、マーティン容疑者の共犯者とみられるダスティン・スチュワート(Dustin Stewart)容疑者(29)が逮捕されている。
米連邦捜査局(FBI)の最新統計によると、米国で2009年に「正当な理由」で銃が使用された殺人事件は215件に上る。また、殺人、自殺、事故を含めると毎年3万人が銃によって死亡している。(c)AFP