【12月15日 AFP】(一部更新、写真追加)インド・西ベンガル(West Bengal)州の貧困地区24パルガナス(Parganas)で15日、密造酒を飲んだ143人が死亡した。地元当局によると、現在も100人あまりが病院で手当てを受けている。

 付近の病院には、意識のない患者、腹痛を訴える患者、激しい胸やけを訴える患者が、続々と担ぎ込まれてきた。

 犠牲者の多くは、正規の酒を買う金銭的余裕がない労働者やリキシャの運転手で、13日の仕事帰りに違法な酒場に立ち寄るか、密造者から購入して飲んでいた。

 病院関係者によると、入院患者の中には酒を水と間違えて飲んでしまったと見られる12歳の少年も含まれているという。

 なお、複数の遺体からはメタノールが検出された。密造酒ではアルコール度数を高めるためにしばしば少量が加えられるが、失明や肝臓障害の危険性があり、死に至ることもある。

 警察は密造酒を販売した疑いでこれまでに10人を逮捕。地元住民たちも、自主的に地元の酒造会社を捜索したり抗議デモを行うなどしている。

 事件をうけ、西ベンガル州政府は、密造酒の製造・販売への関与を厳しく取り締まると言明した。

 インドでは密造酒が広く飲まれている。バングラデシュとの国境に近いこの地区では、500ミリリットルが6ルピー(約9円)で販売されていたという。

 一方で不純物が混ざった密造酒による死亡事件も多発しており、2008年には170人近くが死亡している。(c)AFP/Sailendra Sil