【12月8日 AFP】中国当局は7日、国内10省で人身売買組織の一斉摘発を行い、608人を逮捕、子ども178人を保護したと発表した。

「人身売買撲滅作戦における過去最大の勝利」と宣言した中国公安省の声明によると、5月に四川(Sichuan)省で、また8月に福建(Fujian)省で異なる人身売買組織の存在情報を得た警察当局が綿密な捜査を進め、11月30日から警察官5000人を動員して大規模な一斉摘発を実施した。保護した子どもたちは現在、福祉施設に預けられているという。

 中国では、子どものいない夫婦の養子縁組が法的に容易で、これが幼児の誘拐や売買の横行につながっているとされる。厳格な一人っ子政策の弊害を批判する声もあり、男児を望む夫婦や2人目が欲しい夫婦が子どもを買ったり、女児が売られるなどの事例が指摘されている。

 中国警察当局は7月にも一斉摘発で369人を逮捕、子ども89人を保護したと発表。11月には山東(Shandong)省で、貧困家庭から乳児を買い取って60万円前後で売り飛ばしていた人身売買グループを摘発している。(c)AFP