【11月26日 AFP】オリンパス(Olympus)の巨額損失隠しに絡む不正な資金の流れを指摘して社長を解任された後としては初めて23日に来日していた英国人のマイケル・ウッドフォード(Michael Woodford)氏は26日、成田空港から米ニューヨーク(New York)に向けて出国した。

 ニューヨークで米連邦捜査局(FBI)の捜査官、司法省の検察官の聴取に応じた後、30日に英ロンドン(London)に戻る予定だという。ウッドフォード氏は4日間の東京滞在中に、東京地検や警視庁、証券取引等監視委員会の事情聴取を受けたほか、25日には10月14日の社長解任後初めてオリンパスの取締役会に出席した。

 ウッドフォード氏は26日、ニューヨークへ向かう前に成田空港で報道陣に、「彼ら(日本の捜査当局)が先入観を排して捜査を行い、全ての石をひっくり返して金の流れを追っていくだろうということが私にははっきり分かった」と述べ、来日は有益だったとの見方を示した。

 オリンパスの損失は1000億円を超える可能性もあると報じられているが、オリンパスは依然として詳細を明らかにしていない。

■米投資家からは集団訴訟

 オリンパスは25日、同社が少なくとも5年間にわたって虚偽の財務報告を行っていたとして、オリンパスの米預託証券(ADR)を保有する個人投資家が同社を相手取り、米ペンシルベニア(Pennsylvania)州の連邦裁判所に損害賠償を求める集団訴訟を起こしたと発表した。

 ADRは外国企業が米証券市場で株式の代わりに流通させる証券。原告は2006年11月7日から2011年11月7日までにオリンパスのADRを購入した全ての人を代表して提訴したという。(c)AFP