フランス風刺紙の編集部、火炎瓶で焼ける 表紙に預言者の風刺画
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【11月2日 AFP】イスラム教の預言者ムハンマド(Mohammed)を「ゲスト編集長」に見立て、2日発売号で「アラブの春(Arab Spring)」特集号を組んだフランスの風刺週刊紙「シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)」の編集部が、発売日未明に火炎瓶を投げ込まれ、編集部の中が焼けた。
警察によると、パリ(Paris)にある同編集部で火災が発生したのは2日午前1時(日本時間同9時)ごろ。負傷者は出ていない。目撃者がAFPに語ったところでは、窓から火炎瓶が投げ込まれ、コンピューター・システムから火があがった。
2日発売の同紙は「アラブの春」特集号で、シャリア(Sharia、イスラム法)にかけて紙名も「シャリア・エブド」(Charia Hebdo)に変え、表紙には「笑い死にしなければ、むち打ち100回の刑だ」と宣言する預言者ムハンマドの風刺画をあしらっていた。イスラム教では、預言者ムハンマドを描くことは厳しく禁じられている。
同紙発行人のCharb氏は、「ツイッター(Twitter)やフェイスブック(Facebook)で、抗議や脅迫、侮辱などを何通か受け取った。全て警察に転送した」と述べ、放火はこの特集号に関係があると確信していると語った。
同氏はイスラム教に対する挑発行為だという非難を退け、「いつも通りの本紙の仕事をしているだけだと思っている。今週号が違う唯一の点は、ムハンマドが表紙になっていることで、それは極めて珍しいことではあるが」と述べた。
同紙は過去にデンマークの新聞に掲載された預言者ムハンマドの風刺画を転載し、ふたつのイスラム教団体から訴えられたが、2007年にパリの裁判所がこの訴えを却下し、怒った世界のイスラム教徒の間で抗議が広がった経緯がある。(c)AFP