【10月31日 AFP】中国河南(Henan)省で29日、警察官がパトカーで出稼ぎ労働者らをはねて5人が死亡、3人が怪我をする事故が発生し、暴動に発展した。

 国営紙・環球時報(Global Times)によると、現場は同省汝南(Runan)県梁祝(Liangzhu)で、事故を起こした王銀鵬(Wang Yinpeng)容疑者は酒に酔っていたとみられる。パトカーは街灯2本に衝突したあと、浙江(Zhejiang)省行きのバスを待っていた出稼ぎ労働者の列に突っ込んだ。車内から、アルコール度数の高い白酒やナイフ数本、警察官の制服が見つかったとの報道もある。

 新華社(Xinhua)通信によると、王容疑者は地元の派出所所長だという。「危険な手段で公共の安全を脅かした罪」で既に起訴され、有罪が確定すれば死刑となる可能性もあるという。

 報道によると、警察が葬儀業者に命じて現場から遺体を移動させようとしたため、他の出稼ぎ労働者らが警察に対して抗議を始めた。労働者らは警察が証拠のもみ消しを図ろうとしていると主張し、パトカー数台や霊きゅう車を壊そうとしたことから、「秩序維持」のため武装警察部隊が召集されたと、環球時報は伝えている。

 AFPは汝南県人民政府と警察当局に取材したが、現在捜査中だとの理由でコメントは得られなかった。(c)AFP

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