【10月15日 AFP】イタリアの検察当局は14日、全盲だと偽って不正に障害者手当を受け取っていた女(62)の勾留請求を行った。女は北部ルーゴ(Lugo)の自身が経営する美容院で普通に美容師の仕事をしていた上、市内を自転車で走り回るなどしていたという。

 警察によると、女は1986年に視力の低下を訴えて障害者手当を申請。2011年には「完全に失明した」と申告していた。担当医はこの女について、1997年には介助なしには外出できなくなり、2008年には目の数センチ前にある指の本数を数えるのがやっとという状態になっていたと話していた。

 視力障害者として登録された人の職業のリストを点検していた捜査当局がたまたま女の美容室に気づいた。警察は美容室で顧客の髪をカットしたり、買い物に出かけて衣服や食料を買ったり、市内を一人で歩いたり自転車で通行する女の姿を撮影した。

 この女への障害者手当の支給は差し止められたが、これまでに4万3000ユーロ(約460万円)が支給されていた。(c)AFP