【10月14日 AFP】仏検察当局は13日、仏女性作家トリスタン・バノン(Tristane Banon)氏(32)が国際通貨基金(IMF)のドミニク・ストロスカーン(Dominique Strauss-Kahn)前専務理事から性的暴行を受けそうになったとして告訴した事件で、「時効の成立」を理由に不起訴処分にしたと発表した。

 バノン氏は、2003年にストロスカーン氏から性的暴行を受けそうになったと主張していた。ストロスカーン氏はキスをしようとしたことは認めており、パリ検察当局はわいせつ行為があったと認定したが、強姦未遂で立件する証拠は不十分と判断。フランスの法律ではわいせつ行為の公訴時効は3年であることから、不起訴処分とすると決めた。

 ストロスカーン氏の弁護人は、検察の決定を認めた上で「彼(ストロスカーン氏)は何の暴力も振るっていない。彼女にキスをしようとしたが断られたので、強要せず彼女をそのまま行かせた」と主張した。

 一方、バノン氏は既に、不起訴となった場合は私人訴追手続きを取ると表明している。同氏の弁護人は、検察の決定について「満足はできないが、バノン氏にとっては5か月に及ぶ闘いの末の初めての勝利であり、彼女の主張が作り事などではないとはっきり示した」と述べた。(c)AFP/Jacques Clement

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