【10月14日 AFP】ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は13日、イランが駐米サウジアラビア大使の暗殺を企てたとされる問題で、イラン政府の政治的暴力とテロ支援が「危険なまでに激化したものだ」と述べ、同国に対し協調した措置を取るよう国際社会に呼び掛けた。

 一方、イラン側は、米国はウォール街(Wall Street)で始まった大企業優遇などに抗議するデモが全国に拡大する中、国内の経済問題から関心をそらすため、暗殺説をでっち上げたと非難。一部の専門家は、暗殺がイラン政府上層部によりもくろまれたことに懐疑的な見方を示している。

 クリントン長官は暗殺計画について、国際法と米国内法に甚だしく違反しており、イラン政府が長年行ってきた政治的暴力とテロリズム支援が危険なまでに激化していることを示すものだと明言。国際社会に、新たな対イラン制裁への支持を呼び掛けたが、制裁の内容は明らかになっていない。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領はサウジアラビアのアブドラ・ビン・アブドルアジズ(Abdullah bin Abdul-Aziz)国王と電話で会談し、暗殺計画への措置で両国が連携していくことを改めて確認した。(c)AFP/Christophe Schmidt