【10月12日 AFP】1979年のイラン革命を機に酒が禁止されたイランで、交通警察は11日、飲酒運転の疑いのある運転手へのアルコール検査をまもなく開始すると発表した。

 イラン学生通信(ISNA)によると、交通警察のエスカンダル・モメニ(Eskandar Momeni)長官は、1か月以内に国内各所にパトカーを配備し、飲酒または幻覚剤などのドラッグの使用が疑われる運転手に対し検査を実施すると述べた。

 さらに、「結果が陽性の運転手にはイスラム共和国の法に則った厳格な罰則が待っている」と付け加えた。違反者は、200万リアル(約1万3000円)の罰金、免許証の没収のほか、司法当局による裁きを受けることになるという。

 イランでは少数派のキリスト教徒を除き、酒は販売も消費も禁止されている。酒を作った者、密売した者、消費した者は、しばしば禁錮刑やむち打ち刑などの厳しい罰を受ける。

 酒の密売を取り締まる政府機関は昨年1月、イランには毎年7億3000万ドル(約560億円)相当のアルコール類が密輸入されていると発表した。公式データによると、警察が押収するアルコールは年平均2000万リットル。これは密輸入される量の4分の1程度に過ぎないと見られている。(c)AFP