【9月21日 AFP】2009年に300人以上が犠牲となったイタリア中部地震で、地震活動活発化の兆候があったにもかかわらず地震を予知できなかったとして過失致死罪で起訴された科学者ら7人の初公判が20日、ラクイラ(L'Aquila)の裁判所で行われた。
 
 7人(科学者6人と市当局者1人)は、ラクイラで小さな揺れが数百回観測されたことを受け、地震の6日前に会合を開いて地震リスクを分析したが、大地震の予兆ではないと結論付けた。検察当局は、ラクイラの住民は事前に警告を受けて避難すべきだったと主張している。

 また、地震で負傷した住民らは、7人に対し、5000万ユーロ(約52億円)の損害賠償を求めている。
 
 科学者らは、より強い地震が起きるかどうか予知することは不可能だったが、建物の耐震性を高めるなど、地震対策を強化するよう提言してきたと主張。この日の初公判に出廷した被告は、わずか1人だった。(c)AFP