【9月6日 AFP】仏パリ(Paris)の裁判所は5日、ジャック・シラク(Jacques Chirac)前大統領(78)のパリ市長時代の公金横領疑惑をめぐる公判について、シラク氏の健康状態を理由に、シラク氏が欠席したままで裁判を進めることを決めた。シラク氏の家族が提出した医師の診断書から、シラク氏の出廷は不可能と判断したという。

 裁判所によると、神経科の医師による診断書は、シラク氏は「記憶面で深刻な問題」を抱え、「物事の判断や論法に著しい誤り」がみられると指摘していたという。

 仏紙の中には、シラク氏について本人は自分の病状について自覚がない「病態失認(anosognosia)」と報じたものもある。

 シラク氏は大統領在任中の2003年、米国のイラク進攻に反対したことは良く知られる。その一方で、同氏は数々の汚職との関連も指摘されてきたが、有罪となったことはまだない。(c)AFP/Pascale Juilliard

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