【9月1日 AFP】内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」は1日、編集前の米外交公電を閲覧できるパスワードを漏らしたとして、英紙ガーディアン(Guardian)の記者を非難した。

 ウィキリークスはツイッター(Twitter)を通じて、「ガーディアンの記者が、アラン・ラスブリッジャー(Alan Rusbridger)編集長がウィキリークスと交わした契約に違反する過失、もしくは悪意ある行為を行い、未編集の全文書にアクセスできる暗号化パスワードを漏えいした」と主張した。すでにこの件を米国務省に報告し、訴訟前手続きを開始したという。

■ガーディアンは否定

 昨年にウィキリークスが入手した米外交公電の掲載を始めた数少ない新聞のひとつであるガーディアンは、ウィキリークスによる同紙批判を否定。ウィキリークスとはセキュア・サーバーで文書を数時間共有していたが、その後サーバーはオフラインとなりファイルは削除されたと主張している。

 ガーディアンの説明では、その後、ガーディアンとは無関係な人物が、同じパスワードを用いて機密ファイルを主に映画や音楽の配信に使用されるBitTorrentで公開したという。

 さらにガーディアンは、同紙の記者が執筆し2月に発刊された書籍『WikiLeaks: Inside Julian Assange's War on Secrecy(ウィキリークス:機密をめぐるジュリアン・アサンジの戦いの内幕)』からパスワードが漏れたとの疑惑についても、公式に否定。書籍はパスワードを記してはいるが、文書の場所の詳細は示していないうえ、このパスワードは数時間で失効するものだとウィキリークスから説明を受けたと主張している。

 ガーディアンによると、未編集データのデータベースへのリンクは、実名は不明のツイッターユーザーによって公開された。このユーザーは、各メディアやウィキリークスのツイッター上の情報などから推測してデータを発見したという。その結果、匿名を条件とした情報提供者の身元を伏せないまま、25万1000件の米外交公電がオンライン上に漏えいしてしまったと同紙は説明している。(c)AFP