【8月23日 AFP】米ニューヨーク(New York)の高級ホテルで女性従業員に性的暴行を加えた罪で国際通貨基金(IMF)の前専務理事、ドミニク・ストロスカーン(Dominique Strauss-Kahn)被告(62)が起訴された事件で、検察当局は22日、同被告に対する起訴の取り下げを裁判所に申請した。

 申請は23日の審理で受け入れられる見通しで、ストロスカーン被告の体面を著しく傷つけ華やかな政治キャリアの汚点となった逮捕・起訴劇は、3か月で終結することとなる。

 ニューヨーク検察当局は、裁判所に提出した起訴取り下げ申請文書のなかで、被告と被害者女性のナフィサトウ・ディアロ(Nafissatou Diallo)さん(32)との間に、同意の上ではない性的行為があった可能性は認めながらも、女性従業員がうその供述を繰り返したことについて、これが裁判で致命的となることは避けられないと説明している。

 一方、22日、検察当局と面会したディアロさんは弁護士のケネス・トンプソン(Kenneth Thompson)氏とともに記者会見を開いた。トンプソン氏は「マンハッタンの検察官は、性的暴行を受けた女性が裁判で正義を勝ち取る権利を否定した」と検察当局の起訴取り下げ申請決定に対する怒りをあらわにした。面会はわずか15分足らずで終了した。(c)AFP/Sebstian Smith and Mariano Andrade