【8月14日 AFP】11日のベルギーのベルガ(Belga)通信によると、同国ナミュール(Namur)市のアフリカ博物館で、3人組の男のうち2人が警備員の注意を引きつけている間に、残る1人がサイの剥製の頭を持ち去る事件が起きた。

 この事件は8月の第1週に起きた。ベルギーで、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and FloraCITES)」で取引が禁止されているサイの角が盗まれた事件は、この2か月で3件目。

 ベルギー政府は事件後、サイの角は1975年のワシントン条約で取引が禁止されていることをあらためて強調する声明を発表した。当局によると、欧州連合(EU)域内の税関でサイの角が押収される件数は、以前は年間1~2件だったが、2010年は7件に急増した。サイの角を砕いて粉にして飲むとがん治療に効果があるという噂がアジア全域で広まり、サイの角の価格が大幅に上がったことが一因だという。
 
 ベルギーでは7月上旬に首都ブリュッセル(Brussels)の自然史博物館で、窃盗グループが剥製のサイの頭を盗んだ。6月にはリエージュ(Liege)の自然史博物館でもサイの剥製の頭が盗まれたが、こちらの容疑者は逮捕され、剥製は無事に博物館へ戻った。

 サイの角はケラチンというタンパク質でできている。装飾品や薬用として特にアジアで、数万ユーロの高値で闇取引されているという。(c)AFP

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