【8月3日 AFP】ギリシャにある人口約3万人の島で、住民600人以上が視覚障害だと虚偽の申請を行い、障害者手当を不正受給している可能性があることが発覚した。ギリシャ政府は2日、この島の福祉受給状況についてさらに調査を行うと発表した。

 政府筋によると、イオニア海に浮かぶこの島で、多数の住民が手当を受給をしていたことが明らかになり、マルコス ・ボラリス(Markos Bolaris)副保健・社会福祉相が調査を命じた。ある高官は「本当はどれだけの人に正当な受給資格があるのか分からない」と語った。

 島の名前やこれまでの受給総額は明らかにされていないが、ギリシャの日刊紙エスノス(Ethnos)は、島の人口の2%が長年に渡って手当を受給しており、しかも大半は幼児の頃から受け取っていたと報じている。

 同国の人口は約1100万人だが、ある全国規模の視覚障害者団体は、会員は約5000人だと発表している。

 債務危機の解決を迫られているギリシャは現在、欧州連合(EU)と国際通貨基金(International Monetary FundIMF)の圧力を受けて進めている緊縮財政策の一環として、社会保障関連支出を抑制している。

 国の予算には、何十年にもわたり、ずさんな会計による巨大な浪費があったことも発覚している。こうした中で昨年、ずっと前に死亡している年金受給者に毎年、年金が支払われていたことも明らかになった。(c)AFP