【7月4日 AFP】ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦当時のセルビア人武装勢力司令官で、戦犯として国際法廷に起訴されたラトコ・ムラディッチ(Ratko Mladic)被告(69)は4日、オランダ・ハーグ(Hague)の国連(UN)旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(International Criminal Tribunal for the former YugoslaviaICTY)で開かれた第2回審理で罪状認否を拒否し、その後、審理妨害のため退廷を命じられた。

 ムラディッチ被告は、審理が始まると徐々に精気をみなぎらせ、審理が聞こえない、寒いなどと不平を連発。Alphons Orie裁判官の警告を無視して何度も傍聴席に話しかけたりして、審理の妨害を繰り返した。

 ついに我慢できなくなったOrie裁判官は、「法廷からの強制退廷を警告する。警備員、ムラディッチ被告を法廷から連れ出しなさい」と宣言し、審理は中断された。

 連れ出される際、ムラディッチ被告は3人の判事たちに向かって「呼吸することも許可してくれないのか」と怒鳴り、「裁判官、あなたは(私の弁護士たちが)いない状況で何でも望むことができる。私には何を言う必要も、何を受け取る必要もない。あなたは思うとおりに何でもすることができる」と怒りもあらわに言った。

 審理は被告不在のまま数分後に再開され、規則に基づいて、ムラディッチ被告がジェノサイド(大量虐殺)など11件の起訴事実について無罪を主張したとみなされた。(c)AFP

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