【7月1日 AFP】米ニューヨーク(New York)のホテルで女性従業員に性的暴行を加えたなどとして起訴された国際通貨基金(IMF)の前専務理事、ドミニク・ストロスカーン(Dominique Strauss-Kahn)被告(62)の裁判が、成立しない可能性が出てきた。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が6月30日、裁判関係筋の話として報じたところによると、ストロスカーン被告に暴行されたと訴えていたギニア出身のホテルメイドが、捜査当局に行った証言の多くについて、信憑性に疑問が出てきたという。

 ストロスカーン被告は1日、予定外の出廷を行うが、被告に対する重罪での起訴取り下げが検討される可能性があると同紙は指摘。その上で、原告、被告側の双方が混乱状態にあり、検察は「訴訟に複数の問題点がある」ことを裁判官に報告するとみられる、との裁判関係者の発言を伝えている。

 同紙によると、ストロスカーン被告に対する重罪での起訴が取り下げられれば、同被告の自己誓約による保釈、もしくは監視態勢からの解除が検討される可能性がある。(c)AFP