【6月21日 AFP】米連邦最高裁判所は20日、米小売大手ウォルマート(Wal-Mart)の女性従業員が同社を相手取り、待遇面で性別による差別を受けたとして損害賠償などを求めた訴訟について、集団訴訟として扱うことは認められないとの判断を下した。

 この裁判が集団訴訟になれば原告資格を持つ人が約150万人という史上最大規模の集団訴訟になる可能性があったため注目を集めていたが、米連邦最高裁は、ウォルマートの女性従業員に対する雇用方針は包括的ではなかったため、女性従業員が受けたと主張する差別の内容はひとりひとり違う可能性があると判断した。

 判事9人のうち5人が、未払い賃金と損害賠償の支払いを求める従業員らの訴えを、集団訴訟として認めるだけの根拠がないと判断した。

 同訴訟は当初、2001年にウォルマートの女性従業員6人が、賃金が男性よりも低く、昇進も男性より遅かったとして提訴したもので、07年と10年の下級審の裁判では集団訴訟として認めるとの決定が下され、ウォルマート側が最高裁に上訴していた。(c)AFP/Lucile Malandain