【6月21日 AFP】チュニジアの裁判所で20日、ジン・アビディン・ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)前大統領とレイラ夫人の裁判が開かれ、2人に公金横領の罪で禁錮35年の刑が言い渡された。さらに、ベンアリ前大統領に5000万ディナール(約28億7500万円)、夫人に4100万ディナール(約23億6000万円)の罰金支払いを命じた。本人は裁判に欠席した。

 1月の民主化要求デモで辞任したベンアリ前大統領は、サウジアラビアに逃れた後、首都チュニス(Tunis)郊外の邸宅から、大量の金銭と宝石類が発見されたことから、夫人と共に公金横領罪で起訴されていた。

 カルタゴ(Carthage)の大統領公邸から見つかったとされる武器や麻薬の不法所持を問うベンアリ前大統領の公判は、前大統領側の弁護団に準備期間を与えるため、30日に延期された。
 
 ベンアリ前大統領は裁判に先立ち、弁護士を通じて全ての起訴事実を否定している。

 ベンアリ前大統領を辞任に追い込んだチュニジアの民主化要求デモは、その後、北アフリカ、中東における一連の民衆蜂起運動につながった。(c)AFP