【6月20日 AFP】ベネズエラの刑務所で12日、武装した受刑者同士の衝突が発生し、警察が鎮圧に乗り出したものの1週間に及ぶ暴動が収束する兆しはまだ見えていない。

 暴動が起きているのは、首都カラカス(Caracas)の約40キロ北にあるエルロデオ(El Rodeo)刑務所。ベネズエラのタレク・エルアイサミ(Tareck El Aissami)内相は19日、国営VTVテレビに対し、同日までに少なくとも25人が死亡したと語った。

 同内相によると、当局は定員超過の同刑務所からこれまでに受刑者2500人の他の施設への移送を完了し、さらに1000人の移送を準備しているという。

 ベネズエラ当局はエルロデオ刑務所の暴動鎮圧のため、国家警備隊や空挺部隊など4000人を投入し、暴徒が立てこもる一帯の電力を停止した。だが、依然として受刑者約1300人が暴動の中止を拒否して立てこもっている。

 ベネズエラでは刑務所の収容人数超過が問題となっており、毎年約300人以上が刑務所内で死亡している。1999年には刑務官と受刑者の間で戦闘が起き、27人が死亡する事件があったが、今回の暴動はそれに次ぐ規模となっている。(c)AFP