【6月1日 AFP】エジプト軍が反体制デモに加わった女性たちを拘束し、処女検査を行っていたとされる問題で、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は5月31日、「拷問に他ならない」と非難し、エジプト関係当局に対し当事者に法の裁きを受けさせるよう求める声明を出した。

 事件は、エジプト軍の将軍が匿名を条件に米CNNテレビに出演し、処女検査について証言したことから発覚した。将軍は、「性的暴行を受けたとでっち上げられたくなかったから、まず処女かどうかを確認する必要があった」と処女検査を擁護。「拘束された女性たちは、男性たちと一緒にテントで寝泊まりしていた。テントの中からは火炎びんやドラックも見つかっている。あなた方の娘さんやわたしの娘とは違う種類の人間なんですよ」と訴えかけた。

 軍の上級幹部は5月31日、AFPの取材に対し、「根も葉もない話」と事実関係を否定している。

 アムネスティは、ホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)前大統領が退陣した翌月の3月9日、カイロ(Cairo)のタハリール広場(Tahrir Square)にテントを設営して居座っていたデモ隊が軍により強制排除された際に、少なくとも18人の女性が拘束されたと報じられて以来、女性たちから聞き取り調査を行ってきた。殴打されて電気ショックを受けた、男性兵士に身体検査と称して全裸にされて写真を撮られ、「処女検査」を受けた、売春罪で訴えてやると脅された、などの証言が得られているという。(c)AFP