【5月29日 AFP】オーストラリアで26日、89歳の女性がナイフを持った暴漢を撃退した。取材に応じた女性は27日、「できることなら殺してやったわ」と語り、何度でも同じように撃退してみせると豪語した。

 ジーンさん(仮名、89)は26日、友人2人と一緒に、メルボルン(Melbourne)の地下駐車場でおしゃべりをしていた。1日のショッピングを終え、ワインを1本買って会話を楽しんでいたところ、「不潔な」男が近寄ってきたという。

 男はジーンさんの長年の友人、マリーさん(仮名、82)の喉元にナイフを突きつけ、ジーンさんにハンドバッグを手渡すよう命じた。ジーンさんの反応は速かった。 「彼女が殺されると思った。それはやらせないわと思って、ハンドバッグで顔を殴ってやったのよ。できることなら殺してやったわ」と、ジーンさんは振り返った。

 実は、男にナイフを突きつけられていたマリーさんも、暴漢の股間を蹴り上げようとしていた。「男は『バッグを渡せ!バッグを渡せ!』と言っていたから、『いやよ』と言ってやったわ」と、マリーさんは振り返る。「私も股間を蹴り上げてやろうと思ったんだけど、脚が届かなかったみたい」

 通行人が助けに来たのを見て男は車で逃走したが、一緒にいた友人(71)がその車のナンバーを記憶していたという。マリーさんがかすり傷を負っただけで済んだ。

 女性たちの活躍には警察も驚きの様子。事件を担当した警察官は「その場にいたら私でも怖かったと思う。82歳のおばあさんにとっては、なおさら怖かっただろう」と語る。「マリーさんが攻撃的だったとは思わない。すてきなおばあさんさ」(c)AFP