【5月15日 AFP】(一部更新)米ニューヨーク(New York)市警は15日、国際通貨基金(IMF)のドミニク・ストロスカーン(Dominique Strauss-Kahn)専務理事(62)を性的暴行と強姦未遂などの容疑で逮捕した。同市警の発表によると、逮捕は同専務理事が滞在していたニューヨークの女性ホテル従業員からの告訴を受けて行われた。

 2012年フランス大統領選への出馬が有力視されているストロスカーン容疑者は前日、帰国の途に着く間際にジョン・F・ケネディ国際空港(John F. Kennedy International Airport)で身柄を拘束された。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)の報道によると、エールフランス(Air France)機内で出発を待っていたストロスカーン容疑者は、離陸10分前にケネディ空港当局によって連行された。素直に応じたと言う。身柄はニューヨーク市警の要請に応じて引き渡された。

 市警当局によるとストロスカーン容疑者は、同日朝にマンハッタンにあるホテル、「ソフィテル・ニューヨーク(Sofitel New York)」で女性従業員に対する性的暴行と強姦未遂などの容疑で拘置され、この女性従業員による告訴に基づき、警察が事情聴取していた。

 現地紙ニューヨーク・デイリー・ニューズ(New York Daily News)によると、ストロスカーン容疑者は同ホテルに滞在していた14日朝、部屋に入った女性従業員に背後から近づいて襲い、オーラル・セックスを行うよう強要しようとした疑いがもたれている。女性従業員がどうにか押しのけ部屋から逃げると、ストロスカーン容疑者は直ちに空港に向かったとされる。

 ストロスカーン容疑者のIMF専務理事任期は2012年9月までだが、フランス政界では、満期を待たずに辞任し、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領に対する社会党候補として2012年大統領選に出馬するのではないかとの憶測が流れていた。一部の世論調査では立候補すれば勝利するだろうという結果も出ていた。

 一方、同容疑者の性的な行動にまつわる問題が持ち上がったのは今回が初めてではない。2008年にはIMFのエコノミストであるハンガリー人女性との性的関係が発覚。IMFでは調査の結果、ストロスカーン容疑者が女性に圧力をかけた関係ではなかったと結論し、ストロスカーン容疑者の行為が不適切である点を指摘するにとどまった。(c)AFP