【5月7日 AFP】さながら米コミックヒーロー「バットマン(Batman)」のように、第2次世界大戦の退役軍人ジョン・ブレイ(John Bray)さん(91)は、ニュージーランドの夜の町で悪と闘ってきた。だが、バットマンにおける「ロビン(Robin)」役の相棒を放置し、単独で夜間巡回を決行したため、当局に自宅待機を命じられてしまったという。

 第2次世界大戦で英国陸軍の偵察・奇襲部隊「LRDG(長距離砂漠挺身隊、Long Range Desert Group)」の一員として戦った経験から、ブレイさんは、地元の「悪党」たちと闘う力が今でも十分にあると考え、地元ニュージーランド北島の町ワイパワ(Waipawa)のパトロール隊に入隊した。

 同隊は、夜の路上を車巡回して不審な行動を見つけた際に報告し、警察の「目や耳になる」ことを任務とする。非武装で、懐中電灯と携帯電話しか装備していない。

 プレイさんにも当初は相棒がいた。だが、この80歳代後半のロビンが、任務中にいつも眠りこけてしまった。

 そこでブレイさんはひとりで町を巡回し始めたという。

 だが、パトロール隊のトップは単独行動を認めないとしてブレイさんを巡回担当から外し、再びチームに戻りたいのなら相棒を見つけて来いと通告した。

「まだ続けたいから、新しい相棒を探さないと」と、ブレイさんはAFPの取材に語った。ブレイさんは、夜間警備チームを大成功だと述べる。「間違いなく大成功だ。なにか起きたときに、警察がすぐ把握できるようになったからね」と、ブレイさんは語った。(c)AFP