【5月6日 AFP】南アフリカ・ピーターマリッツバーグ(Pietermaritzburg)の高等裁判所は5日、麻薬密売に関与した罪に問われていたシェリル・クウェレ(Sheryl Cwele)被告とナイジェリア人男性の2人に有罪の判決を下した。クウェレ被告は、シアボンガ・クウェレ(Siyabonga Cwele)国家安全保障相の妻。
 
 南ア通信(Sapa)によると、裁判所は、クウェレ被告ら2人が麻薬の運び屋として2人の女性を雇ったのは明らかだと判断した。

 事件は2009年、ブラジルでコカイン10キロ、30万ドル(約2400万円)相当を所持していた南ア女性が逮捕されたことから発覚した。クウェレ被告は翌年1月に逮捕され、その後保釈された。量刑は6日に言い渡されるが、2人には最低でも禁固15年が科される。

 禁固8年の刑を受けて現在サンパウロ(Sao Paulo)で服役しているブラジルで逮捕された運び屋の女性の両親は南アの新聞に、「娘は当時隣人だったクウェレ容疑者に海外での仕事をもちかけられた。ブラジルへの渡航もクウェレ容疑者が手配した」と話している。

 クウェレ被告ら2人は、雇った別の女性に、トルコで小包を受け取るよう指示したことも明らかになっている。女性は不審に思って申し出を断り、裁判では検察側の証人として出廷した。クウェレ被告の逮捕後、野党はクウェレ国家安全保障相の辞任を求めていた。(c)AFP