【4月25日 AFP】2002年にパキスタンで発生した集団レイプ事件で、1審で死刑判決を受けた6被告が2審で減刑されたことを不服として被害者側が上訴していた裁判で、パキスタン最高裁は21日、被告5人を無罪、1人を終身刑とした2審判決を支持する判決を下した。

 判決後、最高裁は無罪が確定した5人を直ちに釈放するよう命じた。被害者のムクタル・マイ(Mukhtar Mai)さん(40)さんは最高裁の判決に異議を申し立てたが、最高裁は受理しなかった。

 最高裁の判決を受けマイさんは24日、再審請求する意向を示した。「友人や家族と相談した結果、最高裁に再審を請求することにした」と、マイさんはAFPの取材に語った。

■欧米の注目を集めた法廷闘争

 2002年6月、マイさんの弟(当時12)が対立する部族の女性と不倫の関係を持ったというぬれ衣を着せられたことから、村の評議会の決定で部族間の争いを収めるため、マイさんが公衆の面前で集団レイプという処罰を受けた。

 1審では被告6人に死刑判決が言い渡されたが、ラホール(Lahore)高裁は2005年3月、一転して5被告に無罪を言い渡し、残りの1人、主犯格のアブドゥル・ハリク(Abdul Khaliq)被告についても終身刑に減刑していた。

 この事件とマイさんの法廷闘争は、パキスタンの女性の抑圧を示す例として欧米から大きな注目を集めてきた。パキスタンの女性権利擁護団体「Aurat Foundation」によると、同国では2010年に約1000人の女性がレイプされ、2000人が誘拐され、1500人近くが殺害された。(c)AFP

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