【4月8日 AFP】米ニューヨーク(New York)州ロングアイランド(Long Island)のギルゴビーチ(Gilgo Beach)付近で複数の遺体が発見された事件は6日、新たに1遺体がみつかり、市民の間ではニューヨークに連続殺人鬼が潜んでいるとの不安が広がっている。

 ギルゴビーチ付近では前年12月にも、2007年から2010年の間に行方が分からなくなっていた22歳から27歳までの売春婦4人の遺体が見つかっているほか、4日にも、さらに3遺体がみつかっている。

 6日に発見された8人目の遺体は、海岸沿いの約15キロにわたる道路、オーシャンパークウェイ(Ocean Parkway)脇の茂みで発見された。遺体は4日に見つかった3遺体と共にニューヨーク市の検視局に送られ、現在、DNA鑑定中だ。4遺体とも腐敗が進んでいるため、性別は不明だという。

 同州サフォーク(Suffolk County)郡の捜査当局では、4遺体は、昨年に発見された売春婦たちよりも前に殺害されたのではないかとみている。

 このほか、警察はニュージャージー(New Jersey)出身の売春婦、シャナン・ギルバート(Shannan Gilbert)さん(24)が2010年5月1日を最後に行方が分からなくなっている事件と、遺体発見事件との関連も調べている。

 ギルバートさんの隣人男性(76)が米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に語ったところによると、その日の朝5時ごろ、悲鳴とともに誰かが男性宅のドアをたたく音がしたため、男性がドアを開けると、ギルバートさんが立っていて「助けて」と叫び続けていた。だが、男性が警察に電話をかけにいっている間に、ギルバートさんの姿は消えていたという。

 こうした経緯から、捜査当局は7日、警察犬も出動して、雨風が吹き付ける中、現場の浜辺を10キロにわたって遺体を捜索した。 

 ニューヨーク市警殺人課の捜査官は、これまでの連続殺人事件では遺体は離れた場所や別々の州で見つかる例が多く、「同じ地域から、これだけ多くの遺体が見つかることは、極めて異例だ」と地元紙に語った。また、犯人がギルゴビーチに絞って遺体を埋めている点も興味深いという。

 もし1人による犯行であることが立証されれば、ニューヨーク州では過去20年で3例目の連続殺人事件になるが、容疑者はいまだに特定できていない。(c)AFP/Paola Messana