【4月5日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)政権は4日、2001年の9.11同時多発テロの主犯格とされる国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の幹部ハリド・シェイク・モハメド(Khalid Sheikh Mohammed)被告ら5人について、ニューヨーク(New York)連邦裁判所で裁くというこれまでの方針を180度転換し、グアンタナモ湾(Guantanamo Bay)にあるグアンタナモ米海軍基地に設置されている特別軍事法廷で行うことを発表した。

 この方針転換を発表したエリック・ホルダー(Eric Holder)司法長官は、モハメド被告らの審理を連邦裁判所で行うことは可能だと考えていたと述べ、グアンタナモの収容施設収容者の裁判を米国内で行うことを阻止する措置をとった米連邦議会を批判した。

 ホルダー長官は、議会による措置が「近い将来に撤回される可能性が低いという事実を受けいれざるをえなかった」と述べ、「しかし一方で、10年以上審理を待ち続けた9.11の被害者や犠牲者の遺族たちを、これ以上待たせるわけにはいかない」と語った。

 ホルダー長官は、この判断を「やむを得ず」行ったと述べ、シェイク・モハメド被告の他、ワリド・ビンアタッシュ(Walid bin Attash)被告、ラムジ・ビンアルシブ(Ramzi Binalshibh)被告、アリ・アブド・アルアジズアリ(Ali Abd al-Aziz Ali)被告、ムスタファ・アフメド・アルハウサウィ(Mustapha Ahmed al-Hawsawi)被告の審理を特別軍事法廷で行うことを正式に決めたことを発表した。(c)AFP/Dan De Luce