アフリカ人女性を奴隷扱い、英国人被告に有罪判決
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【3月17日 AFP】ロンドン(London)のサザーク刑事法院(Southwark Crown Court)は16日、アフリカ・タンザニアから連れてきた女性を自宅で1日18時間働かせ、賃金を支払っていなかった英国人女性サイーダ・カーン(Saeeda Khan)被告(68)に対し、搾取を目的とした人身売買罪で有罪判決を下し、賠償金2万5000ポンド(約318万円)を支払うよう命じた。
いわゆる「現代版の奴隷制度」と呼ばれる人身売買罪での有罪判決は、英国では初。
カーン被告は禁錮刑は免れたが、これは本人の健康悪化と身体障害を持つ2人の息子を抱えていることが考慮されたため。ジェフリー・リブリン(Geoffrey Rivlin)判事は判決の言い渡しに際し、「被告は十分な賃金を支払うことができたのに、全く支払わなかったも同然。冷淡で欲張りだ」と述べた。
■好条件で雇用、実質タダ働き 食事は1日パン2切れ
カーン被告は2006年、自身が経営するタンザニア・ダルエスサラーム(Dar Es Salaam)の病院で働いていたムルケ(Mwanahamisi Mruke)さん(49)に対し、「1日6時間労働、週給50ポンド(約6400円)」の条件を提示して雇い、ロンドン北部ハロー(Harrow)の自宅に連れて帰った。
ムルケさんの証言によると、当初は週に10ポンド(約1300円)ほどを受け取っていたが、1年もたたずに給金の支払いは停止した。朝6時に起床して、掃除、庭仕事、料理、息子たちを散歩させるのが日課で、真夜中にようやく就寝が許されるという毎日。寝床は台所のマットレスの上で、食事は1日にパン2切れのみ、私用で家を出ることも禁じられた。
ムルケさんは証言台で、「奴隷のように扱われました」と苦痛の表情で語った。当初受け取っていたわずかながらの給金は、娘を大学に通わせるため貯蓄していたという。
ムルケさんの窮状は、静脈瘤(りゅう)のため病院へ行くことを許されたことで、初めて明かになった。3年間の「奴隷生活」中に故郷の両親は2人とも亡くなったが、家族と連絡を取ることも許されなかったという。(c)AFP
いわゆる「現代版の奴隷制度」と呼ばれる人身売買罪での有罪判決は、英国では初。
カーン被告は禁錮刑は免れたが、これは本人の健康悪化と身体障害を持つ2人の息子を抱えていることが考慮されたため。ジェフリー・リブリン(Geoffrey Rivlin)判事は判決の言い渡しに際し、「被告は十分な賃金を支払うことができたのに、全く支払わなかったも同然。冷淡で欲張りだ」と述べた。
■好条件で雇用、実質タダ働き 食事は1日パン2切れ
カーン被告は2006年、自身が経営するタンザニア・ダルエスサラーム(Dar Es Salaam)の病院で働いていたムルケ(Mwanahamisi Mruke)さん(49)に対し、「1日6時間労働、週給50ポンド(約6400円)」の条件を提示して雇い、ロンドン北部ハロー(Harrow)の自宅に連れて帰った。
ムルケさんの証言によると、当初は週に10ポンド(約1300円)ほどを受け取っていたが、1年もたたずに給金の支払いは停止した。朝6時に起床して、掃除、庭仕事、料理、息子たちを散歩させるのが日課で、真夜中にようやく就寝が許されるという毎日。寝床は台所のマットレスの上で、食事は1日にパン2切れのみ、私用で家を出ることも禁じられた。
ムルケさんは証言台で、「奴隷のように扱われました」と苦痛の表情で語った。当初受け取っていたわずかながらの給金は、娘を大学に通わせるため貯蓄していたという。
ムルケさんの窮状は、静脈瘤(りゅう)のため病院へ行くことを許されたことで、初めて明かになった。3年間の「奴隷生活」中に故郷の両親は2人とも亡くなったが、家族と連絡を取ることも許されなかったという。(c)AFP