【3月9日 AFP】中国・上海（Shanghai）の韓国総領事館を舞台とした中国人女性と韓国人外交官3人の不倫スキャンダルに、韓国社会が騒然となっている。

 韓国各紙が連日、「上海スキャンダル」として大きく報じている事件は、上海の韓国総領事館員3人が、韓国人の夫を持つ中国人女性と不適切な関係をもった疑いがあるというもの。この女性は韓国人外交官を利用して、与党政治家や政府高官の携帯電話番号など機密情報を得ていたとみられている。

■女性の夫が暴露

 女性の韓国人の夫が、韓国人外交官らと妻との親密な関係を暴露する書面を韓国政府に送ったことから発覚したという。

 韓国各紙は、女性の夫が提供したという、それぞれの韓国人外交官と中国人女性との2ショット写真を1面に掲載している。

 事態をうけ、韓国政府は9日、この件について調査を始めたことを明らかにした。政府関係者によると、上海領事館に職員を派遣している外交通商省、知識経済省、法務省が独自に調査を進めているという。

 この女性と関係を持ったとされる外交官らは、すでに韓国に召還されたが、3人とも女性との関係を否定しているという。

■中国政府に影響力持つ？

 韓国メディアによると、この女性は中国政府高官とのパイプ役を務め、韓国からの訪問者との会合を設定していたという。また、2008年11月に北朝鮮を逃れて上海の韓国領事館に逃げ込んだ人々を韓国に送還することを中国が認めた際にも、この女性の影響力が働いたと報じられている。

 メディアの関心は、もっぱら、この女性が韓国人外交官から得ていたとみられる便宜に集中している。

 中央日報（JoongAng Daily）は「上海総領事館、衝撃的スキャンダル」と題された社説で、事件を「不倫と秘密と魔性の女がからんだメロドラマのようだ」と評し、政府に「わが国の外交官のモラルの基準」と、ビザ発給業務をめぐる問題点を正すよう求めている。(c)AFP