【2月25日 AFP】インド西部ジョドプール(Jodhpur)の州立ウマイド病院(Umaid Hospital)で今月、10日間に12人の産婦が出産直後に死亡し、警察が捜査を開始した。汚染された点滴液を投与されたことが原因とみられる。現在、ほかにも妊婦3人が重体で集中治療を受けているという。

 地元警察と病院側によると、最初の産婦が死亡したのは13日。病院の検査で点滴液が細菌に汚染されていることが分かり、警察はこの点滴液の製造業者と納入業者に対する捜査を開始した。また、ウマイド病院を含む3つの州立病院に納入されていた点滴液1万本を押収したという。

 最初の産婦死亡の後ただちに原因を特定できず、被害が拡大したことをめぐって病院の対応への批判が高まっており、病院側は現在、死因をめぐる検査は全て終了し手術室は閉鎖されていると説明した。死亡した産婦らの直接の死因は大量出血で、生まれた赤ちゃんは早産で死亡した1人を除いて元気だとしている。

 ウマイド病院では前年7月にも、輸血によって半年間に子ども8人がHIV(エイズウイルス)に感染したとの民間団体の調査結果が同国ニュース専門チャンネルNDTVで報じられ、批判を浴びている。

 インドでは、公立病院は設備が粗末で不衛生な一方、低価格な医療を求めて海外から訪れる外国人患者を対象とした民間病院には最先端の医療設備がそろっており、医療制度の二重構造が問題となっている。(c)AFP