【2月21日 AFP】パキスタンで米外交官とされる男性がパキスタン人2人を射殺したとして逮捕され、米政府が外交特権を理由に即時釈放を求めている問題で、パキスタン情報当局がこの米男性を米中央情報局(CIA)のスパイと考えていることが21日、明らかになった。

 パキスタンの三軍統合情報部(Inter Services IntelligenceISI)の当局者は、匿名を条件にAFPの取材に応じ、1月27日に東部ラホール(Lahore)で路上にいたパキスタン人男性2人を射殺したとして身柄を拘束されているレイモンド・デービス(Raymond Davis)容疑者が「CIAのために働いていたのは、全く疑う余地がない」と述べた。

 この当局者は、事件によってISIとCIAの関係が損なわれたと発言。「彼は契約スパイだ。常勤のCIA職員ではないが、CIAのために働いていた。これは確認されたことだ」と語った。

 デービス容疑者の事件は、米国とパキスタンの外交問題に発展している。米政府はデービス容疑者について、外交特権を有している上、2人を射殺したのは正当防衛だったと主張し釈放を求めている。

 しかし、反米感情の強いパキスタン国民の間では、米国のアフガニスタン戦略に協力する自国政府の支持率は低迷しており、米側の要求をのむことは卑屈な追従だとして政府への圧力が高まっている。(c)AFP/Jennie Matthew

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